【解説】なぜバルセロナで独立を巡るデモが起きてるの?現地在住者が理由を解説!

こんにちは!バルセロナでデモに揉まれているほぺまゆ(@Jope_Mayu)です。

バルセロナで大規模なデモが起きてるみたいだけど、なにがあったの?

2019年10月18日に、スペインのバルセロナで大規模なデモが起こりました。

周辺の5都市からはデモ隊が徒歩で3日間かけてバルセロナへやってきて、カタルーニャ州全体から人が集まるような大規模デモに。

その他にもデモによってさまざまな事態が起こりました。

バルセロナの独立デモで起きたこと

  • デモ隊の通る道路が閉鎖
  • 高速道路や主要幹線道路などが封鎖
  • 空港も封鎖され、航空便も相次いで欠航
  • 公共交通機関は運行率が通常の25%ほどに低下
  • バスがデモ期間のみルート変更
  • サグラダファミリア営業停止
  • サッカー伝統の一戦クラシコ(FCバルセロナvsレアル・マドリード)が延期

……etc

在バルセロナ日本国総領事館からは1日に3〜4通も注意喚起のメールが届くほど。

デモが起こっている場所では国家警察と独立派市民による攻防が暴徒化し、見るに耐えかねる悲惨な状態に。

ここまで至らせた人々のパワーはなぜ起きたのか?

本記事ではバルセロナの独立デモの理由について、現地バルセロナ在住のわたしがわかりやすく解説します。

 

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バルセロナの独立デモがなぜ起きたか超簡単にまとめてみると

バルセロナの独立デモの発端は、その名のごとく

バルセロナが属しているカタルーニャ州のスペインからの独立を求める運動

今回の大規模デモはカタルーニャ独立運動を指揮したカタルーニャ州独立派幹部らの判決が下され、有罪となってしまったことに対する反発が理由でした。

 

カタルーニャ州独立問題が起きた詳しい理由は?

カタルーニャ州とはスペイン北東部のフランスとの国境に位置する自治州。

州都はバルセロナで、面積は九州よりも一回り小さい。

Mayu
日本に置き換えて考えると、九州が日本から独立したいと訴えているような感じです。なんだか想像できないですよね。

カタルーニャ州市民が独立を叫んでいる理由は大きく分けて2つあります。

  1. スペイン中央政府からのカタルーニャ民族の軽視
  2. 税金の支出と還元される金額に相違があるという経済的理由

理由①スペイン政府からカタルーニャ民族が軽視されている

カタルーニャ州は国の公用語の1つともされている、カタルーニャ語が第一言語となっています。

街の至るところでカタルーニャ語の表記がされていて、場所によっては『カタルーニャ語もしくは英語』というようにスペイン語の優先度が低くされているところもあるのです。

このカタルーニャ語を古くからスペイン政府は弾圧して禁止するような歴史的背景がありました。

また1936年にスペインで内戦が起こった際、フランコ将軍率いるファシズム勢力が勝利し、言語だけでなくカタルーニャの文化まで弾圧されるような状態に。

このフランコ独裁政治はフランコ将軍が死去する1975年まで続きました。

これらの歴史的背景から、カタルーニャ民族はスペイン政府から離れるべきだと代々考えられているようなのです。

理由②税金の配分方法による経済的不満

カタルーニャ州は観光産業がさかんで、GDP(国民総生産)はスペインの約20%。

カタルーニャ州のGDPは隣国ポルトガルのGDPをも上回っています

しかし中央政府に徴収された税金は他の州にたくさん分配されており、還元される金額が見合っていないと不満を募らせているのです。

Mayu
例えばカタルーニャでかかる学費(公立大学など)がグラナダなどの他の地域だと学費がかなり安い、などの不公平感がありおかしいと友人が言ってました

こうやって行動に移しているのもすごいですが、自分たちが払っている税金がどのくらいあって、どのように使われているかをしっかりと把握していることもすごいですよね。

 

こちらのTBSニュースのビデオでもわかりやすく説明してくれています。

 

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バルセロナで起きたカタルーニャ独立デモを時系列で解説!

2010年カタルーニャ独立運動が本格的に始まる

2006年にカタルーニャ州議会でカタルーニャ自治憲章というものが制定されたものの、スペイン政府がこれを批判し、スペイン憲法裁判所へ提訴しました。

2010年これを裁判所が違憲と判決を下したため、カタルーニャ市民の独立支持派が一気に増加。

街を埋めつくすほどの大規模な抗議デモが起こり、スペイン政府とカタルーニャ州の関係が悪化した転換期になりました。

2012-2013年カタルーニャ国民の日にバルセロナで独立デモが起こる

9月11日はカタルーニャ国民の日とされ、カタルーニャ州のみ祝日となっています。

1714年9月11日にスペイン継承戦争でバルセロナが包囲され、スペイン国家内での自由が奪われたことを記念しているのです。

2012年、2013年と毎年9月11日はカタルーニャ市民が一体となり、独立を求めるデモがおこなわれました。

2014年カタルーニャ独立を問う非公式の住民投票がおこなわれる

2014年はスペイン継承戦争から300年が経った節目として、デモに加えて非公式の住民投票がおこなわれました。

このとき有識者の3分の1に相当する230万人が投票し、約8割が独立に賛成と投じたようです。

2017年カタルーニャ独立住民投票が再度実施される

2017年10月1日にカタルーニャ独立住民投票が再度おこなわれました。

カタルーニャ州のプッチダモン元首相は選挙前から『賛成多数になれば48時間以内に独立を宣言する』と言及。

実際の投票率は4割程度だったが、投票者の約9割が独立賛成を支持。

Mayu
日本の投票率が5割に満たないことを考えると、まあまあな数字な気もしますね……

プッチダモン元首相はスペイン政府との政治的対話を求めるとし、独立宣言を保留にしたものの、スペイン政府はカタルーニャ州の自治権を停止すると発表し、両者の戦いはかなり激しいものになりました。

Mayu
このときはスペイン中央警察が独立を訴える市民に攻撃を加えるなどし、血の入り混じる激しい攻防になってました。。

2019年独立派幹部が有罪と判決が下され、市民による大規模デモに発展

そして2019年10月14日、独立住民投票を指揮した幹部が有罪という判決が下され、カタルーニャ市民による大規模な抗議デモへと発展しました。

18日にカタルーニャ州各都市からデモ隊が徒歩でバルセロナへ集結し、空港や街の中心部で抗議活動をするデモ隊が。

今回は1週間後におこなわれる予定だったサッカーの伝統の一戦クラシコ(FCバルセロナvsレアル・マドリード)も異例の延期となりました。

Mayu
クラシコはカタルーニャ州政府vsスペイン政府の代理戦争のようなものともされています

 

バルセロナ独立デモについて現地の人はどう思っているの?

バルセロナに住んでいると、やはり独立賛成派反対派の人に分かれているのが生活の中で垣間見えます。

街にあるアパートを見てみると独立賛成派の人はカタルーニャの国旗をぶら下げ、反対派の人はスペイン国旗をぶら下げています。

Mayu
家族内でもお父さんは反対派、お母さんは賛成派という風に分かれている家庭もあるみたいです

賛成派の人は普段の生活でも独立を支持するバッジを胸につけて外出していることも少なくありません。

 

また現地で友人らと話していると

反対派
Mayuは独立なんて反対だよな!スペイン万歳!
賛成派
Mayu、あいつに従っちゃだめよ!カタルーニャ語も勉強しなきゃ!

なんていう会話が日常で繰り広げられます。

だからといって彼らがケンカするとか仲良くなくなるというわけではなく、常日頃から政治に関する話をよくしているのです。

 

そんな現地の人たちですが、バルセロナで起きている独立デモについてどう思っているのでしょうか?

賛成派の人たち:人権と自由のために守っている

賛成派の人が#津波デモというハッシュタグと写真を添付して、コメントをくれました。

カタルーニャの街は人権と自由のために防御しているんだ。

迷惑をかけてごめんなさい。

カタルーニャは日本の心に寄り添っているよ♡

防御という言葉選びや迷惑をかけていることへの気遣いなどから、独立賛成だからといって身勝手に暴れるようなことはしないという落ち着きも垣間見えました。

反対派の人たち:反対派だけど今回はさすがに……

独立反対派のデモ

わたしの周りの友人は熱狂的な独立派というのは少なく、独立までは反対という人が多いのですが、

今回のデモに関しては

カタルーニャの友人
さすがに今回の有罪判決はおかしい。カタルーニャ市民としてデモの場に行かなきゃいけない。。

としてデモに参加していました。

また別の友人でデモに参加していなかった人は

カタルーニャの友人2
暴力的なデモはちょっとやりすぎかな……。それに警察と攻防すると6年間刑務所行きになるかもしれないから、ちょっと嫌だな……。

という独自の判断でデモ不参加としていました。

 

反対派の人たちは『独立しても国家としてやっていけない』『スペインが好き』といった意見を耳にしますが、今回のデモに関しては独立賛成反対という問題よりも

『有罪という判決は客観的に見ておかしい(やりすぎだ)』というような、判決を不服とするものがメインでした。

 

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バルセロナへの旅行は大丈夫?独立デモで治安は悪化した?

観光でも有名なバルセロナ。やはり旅行予定者にとっては治安が気になりますよね。

実際に現地在住のわたしから見たら、確かにデモが起こっている付近(警察と攻防している場所)では危険もありますが、それほど危ない状態というわけではありません。

Mayu
普通に落ち着いて生活しています

まずたくさんの人がいるので、早々デモの危険な場所(集団の先頭に立って警察と戦うなど)には遭遇しませんし、

現地の人が起こしているデモは旗を持って叫んだり、集団を作って道を封鎖したりしているだけで、

旅行者に何か危害を加えるような危ない集団ではありません。

Mayu
こんなことを話していたら総領事館の人に怒られるかもしれませんが笑

上記で挙げた現地の声にもあるように、ある程度節度のあるデモ参加者ばかりなので、事件に巻き込まれるなどはよほど危ない場面に行かない限りないと思われます。

ただ土地勘のない場所で街を歩くと、知らぬ間に警察とデモ隊の攻防の中に入ってしまうこともあるかもしれないので、旅行の際は十分気を付けましょう

またストライキに巻き込まれて移動が難しい、人が多いところでスリに遭う可能性があるので注意が必要です。

バルセロナで起こっているデモはいつまで続くの?

バルセロナで起きているデモは少なくとも2019年11月10日にスペイン全土でおこなわれる一般選挙までは、なかなか沈静化しないのではと言われています。

旅行を考えている方は11月中旬以降で考えると良いでしょう。

 

まとめ:バルセロナの独立デモは人権を争う戦いだった

バルセロナで起こっているカタルーニャ独立問題のデモについて解説しました。

デモに参加したカタルーニャの人たちは、人権と自由を求めて行動している熱い想いを持った人たちでした。

日本では国家から独立したいと考える人たちが集団を作ってデモを起こす、なんてこと想像もできませんよね。

手に入れたい権利や自由のために行動する人々の強さと、国ごとによる違いを改めて実感した出来事でした。

Muchas gracias por leer♡

ABOUTこの記事をかいた人

スペイン在住のホペイロ(エキップメント)×ブロガー。 大企業を辞めスペイン語英語ゼロでバルセロナのサッカーチームに1人で乗り込み、マネジメント活動中。 現地スペインのサッカー情報、人生を楽しむ達人らとのラテン生活を発信。 九州女子。