スペイン・バルセロナの公立語学学校に通ってみた!申し込み方法や受講内容を解説【実体験】
バルセロナに公立の語学学校はある?
スペインの語学学校に通いたいけど、公立か私立か迷う……
スペイン・バルセロナに学生ビザ以外で住んでいる場合、なかなかスペイン語を語学学校で学ぶ機会はありませんよね。
とはいえスペインに住んでいるから、現地の言葉はちゃんと話せるようになりたい。
私立の語学学校は学費が高いから、公立の学費が安い学校でスペイン語やカタルーニャ語を学べたらいいなと思う人も多いはず。
そこで本記事ではスペイン・バルセロナの公立語学学校に通った筆者が、公立の語学学校の特徴や体験談を紹介します。
本記事の内容
- スペインの公立語学学校EOIとは?
- バルセロナの公立語学学校EOIBDについて
- バルセロナの公立語学学校EOIBDの特徴【私立学校との比較】
- 【体験談】バルセロナの公立語学学校EOIBDに通ってみたレポート
本記事の信頼性
ほぺまゆ
- スペイン在住8年目
- バルセロナの公立語学学校でスペイン語コースを受講
- 累計120万人以上に読まれているブログを運営
- 辰巳出版『旅の賢人たちがつくったスペイン旅行最強ナビ』共著
スペインの公立語学学校EOIとは?
名称 | Escuela Oficial de Idiomas (EOI) |
---|---|
学校数 | 471拠点(280の学校+191の関連施設)※ |
※ 2022-23シーズンの開校状況(引用:Listado de EOI en España)
EOI(Escuela Oficial de Idiomas)はスペインの公立語学学校。
スペイン国内全土に学校があり、カタルーニャ州には45ヶ所の学校と11の関連施設があります。
バルセロナにあるDrassanes校(EOIBD)は、カタルーニャ州で最大の公立の語学学校です。
基本的には現地のスペイン人が外国語を習得するための学校ですが、外国人向けのスペイン語コースも開設されています。
Escuela Oficial de Idiomasでは学生ビザの取得はできません。(ビザ取得に必須の要件「週20時間以上」を満たさないため)
バルセロナの公立語学学校EOIBDについて
スペインの公立の語学学校EOIはそれぞれの地域や学校により異なりますが、本記事ではバルセロナの公立語学学校EOIBDについて解説します。
バルセロナの公立語学学校EOIBDの概要
名称 | Escola Oficial d’Idiomes Barcelona Drassanes (EOIBD) |
---|---|
設立年 | 1964年 |
住所 | Av. de les Drassanes, 14, Ciutat Vella, 08001 Barcelona |
電話番号 | (+34) 933 249 330 |
URL | https://www.eoibd.cat/en/ |
EOIBDはバルセロナの中心街や旧市街から非常に近く、観光客がたくさん訪れるRamblas通り(ランブラス通り)もすぐそばです。
授業・コースの内容
コースの種類 | 一般コース(計130h、1年間もしくは4ヶ月間) 夏期コース(週20h×3週間) |
---|---|
取扱言語 | ドイツ語、アラビア語、カタルーニャ語、韓国語、中国語、スペイン語、バスク語、フランス語、ガリシア語、英語、イタリア語、日本語、オランダ語、ポルトガル語、ロシア語etc |
1レッスンの時間 | 1時間50分 |
1クラスの人数 | 12〜20人 |
EOIのコース開講期間は決まっているため、好きなタイミングで受講することはできません。
一般コース
- 1年間130時間コース……9月末〜翌6月中旬
- 4ヶ月130時間コース前期……9月末〜翌1月末
- 4ヶ月130時間コース後期……2月初旬〜6月中旬
夏期コース
7月中の3週間もしくは4週間
あらかじめどの期間に受講したいか決めておき、数ヶ月前に公式サイトをチェックしておくと◎。
定員が決まっている場合もあるので、申し込み受付が開始されたら早めに申し込みましょう。
定員を超えると抽選もしくは募集が打ち切られます
アクティビティ
公立学校なので楽しいイベントはあまりないかと思いきや、放課後や週末のアクティビティが充実しています。
さらにクラスや担任の先生によっては、外出して街中でアクティビティをする授業も。
下記は実際に筆者が在籍時におこなわれたアクティビティです。
EOIのアクティビティの一例
- 街に出てあらかじめ用意された謎解きゲームをクリアしていくグループ活動
- 週末に郊外の都市シッチェスへバス旅行
- CAVAS FREIXENETへワイナリツアー
- 自分の国の食べ物を持ち寄ってパーティー
先生も巻き込んで放課後にみんなでご飯に行ったりもしました
バルセロナの公立語学学校EOIBDの特徴【私立学校との比較】
バルセロナの公立語学学校は、私立学校と比べて以下のメリット・デメリットがあります。
公立学校のメリット
- 価格が安い
- スペイン全国に拠点がある
- ローカルのスペイン人と出会いやすい
公立学校のデメリット
- ビザ取得が不可
- 受講期間(留学時期)を選べない
- 1クラスあたりの人数が多い
その他にも実際にバルセロナの公立語学学校に通ってみて気づいた特徴を、私立学校での経験と比較しながら紹介します。
クラスメイトと仲良くなりやすい
私立学校は基本的に1年を通じて毎週月曜日からコースの授業を始められるので、入学時期や終了時期は人それぞれ。
そのためクラスメイトの入れ替わりが激しく、仲良くなっても別れが来てしまうケースも。
一方で公立学校ではあらかじめ受講期間が決まっており、みんな初対面でのスタート。
かつ同じゴール(最終テスト)に向かって勉強していくため、クラス一団となって頑張ろうという意識にもなります。
最初にみんなでWhatsAppのグループを作って会話したり、授業の後にはみんなで食事に行ったり飲みに行ったりなんてことも。
コースが終了した後でも会話していますし、また集まって食事に行く話も出ています
授業内容がバラエティに富んでいる
公立学校は期間が固定されている、いわゆる専門学校のようなクラスでの授業です。
そのためただ教室で授業をするのではなく、街に出てグループごとに分かれてゲームをすることもあります。
筆者が在籍していたときは、中心街にある有名スポット(カテドラルや広場など)を回って、場所ごとに用意されたクイズの謎解きをしていくゲームをしました。
いつもとは違う環境でクラスメイトと盛り上がるのでさらに仲良くなれますし、クイズももちろんスペイン語なので勉強になります。
私立学校にもアクティビティ活動がありますが、授業時間外の夕方や週末のみで、別途費用がかかるケースも。
生徒数が多く授業中に発言しにくい
私立学校は基本的に1クラス最大10人程度(通常は4〜8人程度)です。
一方で公立学校は1クラスの人数が15〜20人と多いため、授業中は積極的に話さなければスピーキング力がつきません。
もちろん先生がひたすら講義をするのではなく、生徒同士ペアを組んで会話練習をしたり、グループで作業をしたりするので話す機会が全くないわけではありません。
ただ授業中はいかに人の目を気にせず積極的に話すかが大事。
わからないことがあれば、手をあげて質問する姿勢も大切です。
【体験談】バルセロナの公立語学学校EOIBDに通ってみたレポート
筆者は実際に2017年バルセロナの公立語学学校EOIBDで、夏の集中講座(Curso de Verano)を受講しました。
体験した夏の集中講座(Curso de Verano)の概要
- 日程:2017年7月3日〜28日(4週間)
- 授業時間:月曜〜金曜、9:30〜13:30
- 言語:スペイン語
- 価格:338.80€(約44,000円)
夏の集中講座の申し込み方法
EOIBDの夏の集中講座の申し込みはその年の3月頃に始まります。
Webサイトから申し込みでき、スペインの銀行口座を持っていなくとも日本のクレジットカード(VISA)があれば授業料の支払いが可能です。
申し込みが済んだら、5月頃に語学力をチェックするオンラインアンケートがメールで届きます。
回答はメール到着後3日以内に回答しなければならないので注意
あとは講座が始まる7月まで特に何もする必要はなし。授業開始日の前日に案内メールが届きます。
1日の授業スケジュール
講座初日はクラス分けのための1時間半程度の学力テスト(リスニング含む)と簡単な面談がおこなわれます。
面談は先生と個別におこない、スピーキング力をはかります。
当日は語学力テストのみ。翌日の朝に掲示板でクラス分けが発表されて、各クラスで授業がスタートです。
夏の集中講座の1日の授業スケジュール
- 1限目:9:30〜10:45
- 15分間の休憩
- 2限目:11:00〜12:15
- 15分間の休憩
- 3限目:12:30〜13:30
受講クラスの詳細
- 1限目と3限目は同じ先生(クラス担任)で、2限目は違う先生
- 1クラスの生徒数は15人(他クラスは20人程度)
- 生徒の国籍:中国人が4人、フランス人が2人、他にイタリア人やベルギー人、ポーランド人、アメリカ人、カナダ人、カザフスタン人、モロッコ人など
- 日本人は筆者のみ
- 座学の授業のほかにアクティビティもあり
夏の集中講座のアクティビティ活動
希望者限定のシッチェス観光ツアー
夏の集中講座の期間中のとある週末にみんなでバスに乗って、郊外の観光スポットに行くアクティビティがありました。
2017年の行き先はSitges(シッチェス)。
映画のジョジョの撮影地だった場所です!
海がとっても綺麗な街で、夏はバカンスに訪れる観光客もたくさんいます。
Sitgesの他にも、カタルーニャ名産のカヴァ(シャンパン)FREIXENETを作っている工場にも訪問します。
FREIXENETのカヴァは日本でも購入できるので、お酒好きな人はぜひ試してみてください。
参加するには別途費用がかかりますが、15€程度(2000円程度)なので一人で訪れるよりもお手頃な価格で楽しむことができます。
自分の国の料理を持ち寄ってパーティー
講座の最終日は、みんなで自国の食べ物を持ち寄ってパーティーをしました。
パーティーでは各国の料理を楽しみながら、音楽をかけてみんなで踊って盛り上がります。
さすがラテンの国!
授業カリキュラムのゴールもみんな同じなので、テストが終わった開放感や履修コースが終わってしまう寂しさなども共有できて良い時間でした。
まとめ:バルセロナの公立語学学校は夏の短期留学におすすめ!
スペイン・バルセロナの公立の語学学校EOIBDについて解説しました。
公立の語学学校は1年間もしくは半年間通う長期コースと、夏の短期集中講座の2種類があります。
公立の語学学校では週の授業時間数が足りず、スペインの学生ビザは取得できません。
すでにスペイン在住でビザ申請が不要な方や、夏の短期留学をしたい人におすすめです。
Muchas gracias por leer♡