スペインに非常事態宣言!新型コロナウイルスの影響で街はどうなってるの?

こんにちは!スペインでコロナウイルスに脅かされているほぺまゆ(@Jope_Mayu)です。




家族がスペインに住んでいる方、留学中の方、スペインへ旅行予定の方、いまスペインがどうなっているのか心配になりますよね。
スペインでは非常事態宣言が出された3月14日より、街や人々の様子はこれまでとガラッと変わってきました。
そこで実際に現地で暮らしているわたしがスペインはいまどんな状況なのかを速報レポートでお届けしていきます。
スペインの非常事態宣言(警戒事態宣言)とは?
Mañana, en Consejo de Ministros, decretaremos el Estado de Alarma en toda España para los próximos 15 días. Es un instrumento recogido por la Constitución que dota al Gobierno de recursos extraordinarios para enfrentar la emergencia sanitaria y social generada por el #Covid19. pic.twitter.com/xsQk0MTduj
— Pedro Sánchez (@sanchezcastejon) March 13, 2020
2020年3月13日、スペインのペドロ・サンチェス首相は新型コロナウイルスの感染拡大による非常事態宣言を発表しました。
この宣言によりスペイン領域内すべてにおいて、3月14日から15日間は施設の閉鎖や活動の自粛、移動の制限が課されます。(延長される可能性もあり)
スペインの新型コロナウイルス感染者数は?
スペインでの新型コロナウイルス感染者数は3月14日12時(スペイン時間)現在、累計5,753人(前日比+1,544人)。うち死亡者数136人。
スペインの感染者数の州別内訳(累計)
- マドリード州:2,940人
- カタルーニャ州:509人
- バスク
州:417人 - カスティーリャ・ラ・マンチャ州:289人
- ラ・
リオハ州:278人 - アンダルシア州:269人
- カスティーリャ
・レオン州:223人 - ナバラ州:146人
- バレンシア州:130人
- ガリシア州:115人
- アストゥリアス州:92人
- カナリア州:90人
- アラゴン州:80人
- エストレマドゥーラ州:66人
- ムルシア州:47人
- カンタブリ
ア州:31人 - バレアレス州:28人
- メリリャ自治都市:3人
参考:在バルセロナ日本総領事館
スペインの街の様子はどう?お店は閉まってる?
商業施設などは生活必需品にかかわるもの以外閉鎖
現在は生活に必要不可欠なお店をのぞいて、すべての商業施設が一時的に閉鎖されています。
営業が継続されているのは、
- スーパーマーケットなどの食料品店
- 薬局
- キオスク
- ガソリンスタンド
- 金融機関
……etc
ただスーパーでは食料品や紙製品の買いだめによる品薄状態が発生しており、容易にはほしいものが買えない状態です。。
Así han dejado el Mercadona de mi barrio en un momento. No sé si me preocupa más la pandemia de coronavirus o la de gilipollas pic.twitter.com/Bc3qOwPLek
— Sеmiсírculо (@yelasemi) March 9, 2020
なおカフェやファーストフード店などのデリバリーサービス(ピザの宅配など)については運行しているお店もあるとのこと。
人の移動は最小限に
街中の不要不急な移動についても制限がかけられています。
非常事態宣言下でも認められている市民の移動は、
- 食糧、その他医薬品などの必需品入手のための移動
- 医療機関への受診のための移動
- 職務履行のための職場などへの移動
- 住居へ帰還するための移動
- 高齢者、小さな子ども、障がいのある方、その他日常生活への手当てが必要な方への対応のための移動
- 金融機関への移動
- その他、不可欠な理由による移動
公共交通機関は減便にて運行されています。
航空便も減便されていますが、空港閉鎖の情報は入っていません。(3月14日現在)



スペインの観光施設は営業してる?
カタルーニャ州(バルセロナ)の観光施設の状況
サグラダ・ファミリア教会
3月13日から閉鎖
公式Webサイト:https://sagradafamil
カサ・ミラ
3月14日から閉鎖
公式Webサイト:https://www.lapedrer
カサ・バトリョ
3月16日から閉鎖
公式Webサイト:https://www.casabatl
モンセラット修道院
3月12日から入場規制
公式Webサイト:https://www.montserratvisita.c
マドリード州の観光施設の状況
マドリード王宮
3月13日から閉鎖
公式Webサイト:https://www.patrimonionacional.es/real-sitio/palacio-real-de-madrid
プラド美術館
3月13日から閉鎖(ただしオンラインでの公開あり)
公式Webサイト:https://www.museodelprado.es/
商業施設や観光地のほとんどはどこも閉鎖という措置がなされています。
詳細については各観光施設の公式Webサイト等にてご確認をお願いします。
スペインのサッカーリーグは中止?延期?
現在スペインのプロサッカーリーグ『ラ・リーガ』は直近2節分の延期が決定しており、該当の試合日は未定です。
事態が収束すれば4月1週目の土日より試合が開催されますが、詳細についてはリーガ公式Webサイトにてご確認をお願いします。



スペインに住む人々はどう暮らしているの?
陽気で明るい国民性のスペイン人、人と話すことが大好きな彼らは自宅待機なんて大丈夫なの?!と心配してしまいそうですが、
3月14日時点では外を歩いている人や車の数も減っているように感じ、みんなちゃんと家にいるんだなあと実感。
ツイッターでは#YoMeQuedoEnCasa(#わたしは家に残る)というハッシュタグもトレンド入りし、みんなで外出を避けようという動きが広まっています。
さらに3月14日夜22時には人々の呼びかけにより、コロナウイルスと闘う医療従事者への感謝の拍手がスペインの街中でベランダや窓からおこなわれました。
A las 22.00 los balcones de toda España se han llenado de aplausos por los servicios sanitarios que luchan contra el coronavirus. El vídeo es de uno de los momentos vividos en La Latina, en el centro de Madrid https://t.co/vKL1kpt4kM pic.twitter.com/eY35QBu6ou
— EL PAÍS (@el_pais) March 14, 2020



補足:スペインの非常事態宣言について筆者が感じたこと
今回のスペインの非常事態宣言をよく理解するためにも、スペインのサンチェス首相による会見をチェックしていたのですが
会見の言葉一つ一つになんだか胸が熱くなるものを感じました。
とりあえずもう、読んでほしい。スペイン語がわかる方なら、ぜひ動画を見てほしい。
勝利はわたしたち1人1人にかかっている。わたしたちの家庭で、仕事で、近所で。英雄というのは手を洗うこと、家にいること、自分自身で身を守ることによっても作り上げられる。
数週間かかり、とってもきつくて辛いものになるだろう。でも、ウイルスを止めよう。確実に。みんなで力を合わせて、社会的責任と自制心をもって。
科学的アドバイスを生かし国の資源を支えあいながら、この緊急事態を乗り越えよう。みんなで一つになり1人1人がすべきことを果たせば、少ない人的ダメージと経済ダメージで早急に解決できるはずだ。このウイルスはみんなで一緒に止めよう。
これら温かい言葉をカンペ読みながらでもなく、真正面から伝えてくれる姿がよかった。



経済危機のときのことも触れていて、あーたしかにと思わされました。
これは責任と社会的規律が求められる瞬間だ。しかしそれに加えて、傷つきやすい人たちへの約束を果たす瞬間でもある。今日わたしたちは2008年に起きた経済危機のことを思い出さなければならない。高齢者の方々が、わたしたちを経済危機から救ってくれたあのとき。
多くの家族を救う土台となってくれた祖父母たち。彼らの年金から生み出されたお金はわたしたちの食料庫を満たしてくれ、支払請求にも対応してくれ、子育て・教育支援にもこたえてくれた。彼らの存在はすべての家族を保護してくれたのだ。
わたしたちの高齢者はわたしたちにサポート以上のものをくれた、偉大な例をくれた。この危機でわたしたちのサポートが必要なのはその彼らだ。そしてこの危機は彼らから学んだことを証明するチャンスを与えてくれている。わたしたちも彼らと同じ高さに立ち、対応することができるということを。
世代間の結束ができたということを証明しよう。自分自身を守りながら、高齢者の方々も守る。そして最後にこれらが収束したら、わたしたちは前に進めるはずだ。
そして最後にこの病気との戦いに立ち向かってくれている人たちのことを思い起こさせてほしい。
英雄の例ともいえる医療のプロたちの奉仕、犠牲心。ありがとう。
興味関心をよせて前面にとりあげてくれる地方、自治州、ヨーロッパ、世界における行政府と連携した対応。ありがとう。
公の命令により見張りをしてくれている警備隊の方々。ありがとう。
もうすでに警戒事態モードに入ってくれている軍隊の方々。ありがとう。
コロナウイルスの治療法を見つけるために活動してくれている研究者の方々。ありがとう。
市民らの家での時間を埋めるため、無償で本やコンサート、映画などを提供してくれている奉仕精神をもったカルチャー分野の方々。ありがとう。
ビジネスの収益を犠牲にして、顧客や従業員の安全を守ってくれている会社や自営業の方々。ありがとう。
真実の情報を届け、ウイルス感染を避けるための有効な対応を市民に広めてくれるメディアや情報技術者の方々。ありがとう。
隔離される前に献血をとりおこなってくれた方々。ありがとう。
子どもたちに家にいることの必要性を説明してくれているお父さん、お母さん。ありがとう。
傷つきやすい人たちを保護し、世話をしてくれている方々。ありがとう。
これは、わたしたちが勝利する戦いだ。これについてはなんの議論もない。わたしたちは勝つんだ。大事なのはこの勝利に捧げる代償を最小にすることだ。
どれだけの人命を救うことができるか、どれだけの病気と病気にかかる日数を避けられるか、勉強や仕事、余暇を犠牲にする時間をどれだけ少なくできるか。それらが勝利になるはずだ。
迷いは抱えずに、一致団結して前に進もう。一致団結してウイルスに打ち勝とう。
これでも一部を取り上げたくらいで、こんな長いスピーチをずっと聞き続けられたのはなかなか珍しい気がしました。引き込まれた。



それと日本とは違って自治州があるスペインならではの特徴が少し出ていたところも興味深かった。
明日はスペイン各州知事とのビデオ会議に参加する。これはコロナウイルスに関して必要になるであろう緊急時の対応で、高いレベルの統制をはかるためだ。団結にくわえ、最大限の統一とゆるぎないリーダーシップ。
すべての州知事は1人1人の違いを脇においてスペイン政府の後ろにつき、唯一無二のミッション『みんなでウイルスに打ち勝つ』に集中しよう。ここには政党の色やイデオロギー、領地も関係ない。わたしたちの市民が最優先だ。
動画は複数に分かれているのですが、いずれもサンチェス首相のツイッターアカウント(@sanchezcastejon)から見ることができます。
Mañana, en Consejo de Ministros, decretaremos el Estado de Alarma en toda España para los próximos 15 días. Es un instrumento recogido por la Constitución que dota al Gobierno de recursos extraordinarios para enfrentar la emergencia sanitaria y social generada por el #Covid19. pic.twitter.com/xsQk0MTduj
— Pedro Sánchez (@sanchezcastejon) March 13, 2020



まとめ:スペインだけでなく世界からウイルスが消えますように
スペインではコロナウイルス感染者が拡大しており深刻な状況が続いていますが、
この非常事態宣言とともに国全体が一致団結し、早期の収束とより少ない犠牲で解決することを心から祈っています。
またスペインを旅行中の方、この非常事態宣言中に空港が封鎖されて出国できなくなる恐れもありますので、可能であれば少しでも早く日本へ帰国されることをお勧めします。
Muchas gracias por leer♡