ホペイロの仕事をするときに大切にしている1つのこと

こんにちは、スペインのサッカーチームで奮闘中のMayu(@Jope_Mayu)です。
女性ホペイロとしてサッカーの現場に貢献できるよう、日々戦っています。
ホペイロって何?という方はこちらを読んでみてください>>ホペイロって何?私がこの職業を目指したきっかけ

本記事ではわたしがサッカーチームで仕事をしているときに、普段から心がけていることを紹介します。
心がけていることはサッカーに集中しすぎないこと
サッカーに集中しすぎないというと、

と思われるかもしれません。
確かに自分のチームがどんなサッカーをしているのか、集中して見るべきかもしれません。
ただわたしが気にかけるべきなのは、チームがどんなプレーをしているかやどんな戦い方をしているかではなく、選手たちが心地よくサッカーができる環境を作れているかということ。
サッカーを取り巻く周りの部分に目を向けなければなりません。
ホペイロのお仕事は選手とコーチがサッカーに集中できる環境をつくること
ホペイロというと、わかりやすく言えば用具係。
サッカー用具を管理しつつ、マネージャーのような仕事も兼任します。
ですがただ用具を管理すればいいというわけではなく、本来の目的に目を向けなければなりません。
本来の目的は選手とコーチがサッカーに集中できる環境を提供すること。
そしてかゆいところに手が届くような存在でありたいと考えています。
もしわたしがサッカーに見入ってしまうと、周りの環境に気を配ることができなくなってしまうのです。
サッカーが好きすぎる人は逆に難しい
サッカーの現場に携わるため、やはりサッカーが好きであることは必然ともいえるでしょう。
しかしあまりにサッカーが好きすぎる場合は、少々やりづらいのがこのお仕事の特徴ともいえます。
チームの試合をちゃんと見れないことも
試合の日は選手が入場する前にロッカールームをパパッと点検して施錠し、ベンチに必要な道具を揃え、ベンチに持っていく。
この瞬間はもう急ぎまくり
ちょっとでも優先順位を間違えるとてんやわんや。誰かを待たせることにもつながってしまいます。
そして前半が終わる前にも先にロッカールームに入り、選手を迎えられるよう準備。
後半が終わる前も同様です。
前半も後半も終わりの何分かは試合を見ることができないので、試合終了直前の大事な時間を共有することはほとんどできません。
1点差で勝っているなどの均衡した場面でも、最後まで見守ることなく「あとは頼んだよみんな……」みたいな心境で準備しなければなりません。



また試合の途中でボールがどこかに飛んでいったもしくはボールがなくなった等であれば、試合中でも探しに向かいます。
なんなら先週末の試合なんて、ボール探してたら後半2分間くらいしか見れなかった。。



と試合後に監督に聞くくらい。
監督も驚いて、



なんてことも言われます。
そう、わかってる。見るべきだ、いや見たいのは山々だ。そして試合後に監督から試合の感想や意見を求められることもわかってる。
でも身体は1つしかありません。



チームの練習中のわたしの視点
チームの練習中にわたしが見ている部分は、たとえば
- ボールが必要なところに設置されているか
- (監督がボールを手に持っておきたいタイプの人であれば)監督の元にボールはあるか
- ボトルの水は十分にあるか
- ボトルをどの場所に準備しておくべきか
- 各練習メニューがどのくらいで終わるか
- ボールが飛んでいきやすい場所はどこか(その場所に立ち位置をとる)
- 練習中に暑くなってトレーナーや手袋など脱ぎたがっていそうな選手はいないか(服を受け取るため)
……etc
こういった点にできるかぎり気を配っています。
選手たちのプレーをまともに見ることが難しいのも想像がつくのではないでしょうか。。
あまりアクティブな練習メニューでなければプレーを見ることもできますが、基本的にはサッカーに熱中することは難しいため、サッカーを常に見ていたいという人には向かないかもしれません。
サッカーのプレーに集中するのは監督やコーチのお仕事ですからね。必ずしもホペイロのお仕事ではありません。
ホペイロのお仕事は舞台の黒子と同じ
ホペイロは決してチームの主役になる必要はありません。
選手たちが輝いてなんぼです。
そのためにそっと影でサポートする。なかなか気づきにくい「あったらいいな」を提供する。
練習も試合も滞りなくスムーズに進むことができたら合格。
わたしがいないときに「そういえばMayuがいないから、なかなかスムーズにいかないな」と後になって気づくくらいの存在感がちょうどよし。
練習中の存在感はそれほどなくとも、いなくなったら困るくらいを目指しています。
ホペイロの仕事をするときに大切にしていることまとめ
サッカーの現場で意識していること、それはスタッフや選手とは一歩引いた目線で練習や試合を見ること。
選手たちと同様にサッカーにのめり込まないように、常に一歩引いてその場の環境を客観視する。
何が不足しているか(不足しそうか)、何が邪魔になっているか(邪魔になりそうか)、何があったらチームのみんなが笑顔になるかなど……
選手たちの心理面に良い影響を与える可能性を秘めている仕事ともいえると思っています。
そのため今は心理学なんかにも興味を持っているところです。
まだまだわたしも成長段階、スペインで経験を積んで日本女性初のプロホペイロを目指します!
Muchas gracias por leer♡