結果を求めるスペインサッカーと過程を重視する日本サッカー、どっちがいい?

こんにちは、バルセロナの女性ホペイロMayu(@Jope_Mayu)です。
先日このツイートで少しだけ反響を頂きました。
先日スペイン人監督が
🧔🏻🇪🇸東京ヴェルディの元監督が羨ましい。昇格を任されて、それを果たせなくてもサポーターは拍手を送ってくれる。温かい
スペインだと勝ったらみんなが持ち上げてくれるけど、負けたらひどいくらいけなされる。残酷。俺も日本で監督しようかな😂って言ってたのが印象的だった
— ほぺまゆ@バルセロナ🇪🇸⚽️🇯🇵 (@Jope_Mayu) 2019年1月7日
知り合いの監督と話していてこんなことを言っていたのですが、あまり表には出ない監督の胸の内を聞いたような気分でした。
また改めて日本とスペインのサッカーに対する考え方の違いを感じた瞬間でもありました。
サッカーに対する周囲の反応
結果を要求されるスペインサッカー
スペインでは内容よりも結果を重視される傾向が強いように思います。
わたしは普段から監督らとよく話すのですが、

なんて言葉を漏らしていました。



誰よりもチームのことを想い、毎日のようにどう戦うかを考えている監督をそばで見ている分、なんだか切ない気持ちに。
それが仕事だと言われればそれまでですが、監督の背負うプレッシャーというのは計り知れないもの。
ましてプロクラブのトップチームだけでなく、街クラブの育成年代の監督でも同様に感じている人はたくさんいます。親の目線がわりと厳しかったりするのです。。
過程を重視する日本サッカー
日本は結果よりも過程を大事にする、それまでの努力を評価したり美徳としたりするような傾向があります。
前述のツイートでもあったように、東京ヴェルディの監督は昇格こそ果たせなかったものの、それまでの試合でチームを作り上げて戦えるチームにし、サポーターから慕われる結果になりました。
最終的な結果よりも、それまでの努力や取り組みを評価するのです。
Jリーグのチームでも降格したけど監督は続投する、というケースはよくあります。結果を重視するスペインではなかなかないケースです。
ロシアW杯でのベルギー戦、日本は善戦したものの終盤で逆転される結果になりました。
この結果に対して



という世間の反応よりも、



と拍手を送る人が多かったかと思います。(わたしもそのうちの1人でした)
これもプロセスを重視する一例といえるでしょう。
どちらがサッカー界の発展に寄与するのか?
2つの考え方があるということを見てきましたが、気になるのはどちらがよりサッカー界にとって良いのかどうか。
日本サッカーとスペインサッカーという軸だけで比べると、レベルや実績の観点からスペインサッカーの傾向でもある結果重視がより良いのかもしれませんが、果たしてどうなのでしょうか。
どちらが正解かではなく、その傾向をどうやって生かすのか
どっちでもないんかい!というツッコミが入りそうですが、正直どちらが正解というよりもその国に馴染んだ考え方や慣習に則って上手く利用する方が良いのではないかと思います。
たとえば日本とスペインでは挨拶の文化が異なります。
日本は誰かと逢ったときにお辞儀をするもしくは握手をするという形式をとりますが、スペインではハグをしたりほっぺにキスをするという形式をとります。
ここで「ハグやキスの挨拶の方が幸せホルモンが出て良い!」と科学的に証明されたとして。だからと言って日本文化に取り入れることができるでしょうか?
おそらくハグやキスの方が良いとわかっていても、実際に実行するのは難しいのです。もうすでにお辞儀をするという考え方が染み込んでいるから。
でもお辞儀をする挨拶は「互いの距離を詰めすぎず、相手を尊重することができる」という良い部分もあります。そこを強みにする方法が一番なのではないかと思います。
日本サッカーは日本流のアプローチ法を見いだせるのでは
つまり日本サッカーも同様で、過程を重視する考え方を尊重し、その強みを生かしたアプローチ方法を探すべきなのかもしれません。
スペインみたいに厳しく評価される環境を作らないとサッカー界は成長しない!って意見もあるだろうけど、日本人の温かさというか国民性に基づいた負けても温かく迎えてくれる環境って純粋にステキだよなあと思った。人間味あるというか。見ててほっこりするというか。
— ほぺまゆ@バルセロナ🇪🇸⚽️🇯🇵 (@Jope_Mayu) 2019年1月7日
それは日本サッカー界にとっての武器になるだろうし。もしこういう事例を外国人監督が目にして、優秀な監督さんが日本に来る機会が増えると、日本流のサッカー界の発展の仕方が見いだせるのかもしれんなあ〜
なんてふと考える夜ふけ
— ほぺまゆ@バルセロナ🇪🇸⚽️🇯🇵 (@Jope_Mayu) 2019年1月7日
世界のトップリーグで戦っているような選手が結果に対する日々のプレッシャーに疲れ、ふとチームとサポーターが一体となってお互いに想い合う日本のクラブを目にして「日本でプレーしたい」と思ってくれるかもしれません。
監督も同様で、日本のサポーターの雰囲気づくりに感激して「日本のクラブの指揮をとりたい」と思ってくれるかもしれません。
たとえばポドルスキ選手は一度日本に来てから、他の国に移らず日本に残ってプレーしてくれていますよね。それは日本の居心地の良さや、日本のサポーターの温かさが影響しているのかもしれません。
その姿を見かねた世界のトップ選手が同じように日本へ流れてくる可能性だって十分にある。その人たちの力を借りながらJリーグが切磋琢磨していったら、日本サッカーはさらに発展していくのではないでしょうか。
まとめ:持っている強みを生かすことが発展につながる
結果重視のスペインサッカーと過程重視の日本サッカーについて比べてみました。
どちらが正しいとかどちらが良いという話ではなく、日本サッカーの特性に合わせて考えることが大事だと言えるでしょう。スペイン式のサッカーをそのまま日本人が再現することは難しいのと同じこと。
無理に海外式の考え方を取り入れず、日本らしさを残して日本流のアプローチを向上させていくことが賢い手なのかもしれませんね。
Muchas gracias por leer♡