こんにちは、最近の空き時間はもっぱらPCを触っているMayu(@Jope_Mayu)です。
先週末でJuvenil Aチームがリーガ最終節を戦い終え、2017-18シーズンが終了しました。
ほかのカテゴリーのリーグは5月とか6月頃まで続くのがほとんどなのですが、Juvenilカテゴリー(17-19歳年代)のトップリーグDivision Honorは早く終わってしまいます。
あっという間でした。本当にあっという間。
チームとの初再会がつい昨日のことのよう。
未だにリーグ戦が終わった実感がありません。
また今週末もみんなでどこかに試合に行くんじゃないかって。
わたしが今のクラブに入ったのは、今からちょうど1年前のこと。
チームに帯同し始めたのは今くらいだったので、シーズン終盤でした。
なので2017-18シーズンは、わたしが初めて1シーズン丸ごと帯同したシーズンになります。
何もかもが初めての経験で、色々と試行錯誤した1年。
出逢いや別れ、想い出深いことがたくさんあった。
だからせっかくなので、このブログに振り返りを刻んでおこうと思います。

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目次
2017年7月にプレシーズンがスタート
シーズンオフの期間中にJuvenilの監督から誘ってもらい、チームに帯同することになりました。
オファーのメールをもらったときはびっくりして、
「え?まじか!、、ええ!ぶわーー」
と1人リアクション大会をしたのを覚えています。

気を遣いまくったシーズンのスタート当初
チームの練習スタート日、教えられた時間にグラウンドに行ってみると、監督から選手らにずーっと説明をしていました。
練習が始まってからというものの、どの用具を使ってるとか、どんな準備をするとか、これといって教えられない。

とりあえず様子見をしました。
最初の合流時点って、もうめっちゃくちゃ繊細で大切な時期なんですよね。
知らない人たちばかりの中にポッと入って仕事を始める。
あまり派手なことをしちゃうと「なんだコイツ?」ってなるし、
かといって遠慮しすぎて何もできないと「コイツ何のためにいるんだ?」ってなっちゃう。
日本語を喋る人なんてチームにはもちろんいないから、
何かわからないことがあってもスペイン語で何とか聞いて理解するしかない。
監督の指示とか聞き取れなかったら、次何するかとかもわからないんですよね。
だからもうめちゃくちゃ観察しました。
昨シーズンのやり方をとにかくインプットする。
そのやり方を活かしつつ、わたしが手伝えそうな部分や手を加えられそうなところを見つけて動いてみる。
わたしが一番に考えていたのは、選手やコーチ陣の邪魔をしないこと。
舞台でいう黒子に徹することを第一に考えていました。
初めての練習試合
トップレベルのリーグになると、練習試合でもめちゃくちゃ決まりが多いんです。
チームスタッフはスペイン版マイナンバーみたいな身分証明書を出さないといけない。

審判もちゃんとした人が来てるらしい。
最初Mayuはベンチに入れないかもと言われてましたが、なんとかベンチの近くに座らせてもらいました。


とにかくどの時間もチームの様子をしっかり観察して、自分ができることを考える。
そして何よりもチームに馴れることに必死でした。

たぶん選手たちからすると、今までのサッカー人生で日本人女子がチームで仕事してるなんてなかっただろうから、誰なんだろう?みたいな感じだったと思う。

そのほかにもプレシーズン期間中は色んなチームと練習試合をしたり、3日間ほど泊まりがけの遠征があったりしました。
わたしはさすがに泊まりがけの遠征には帯同できなくて悲しかった。
それはわかってることだし、しょうがないんですけどね。
そのときはまだわたしも試されていた部分があったと思うので、監督から「アウェイの試合には連れていけないかもしれない」なんてことも言われていました。

ついに2017年9月、シーズンがスタート!
初戦の相手はアウェイでバルセロナFCユースA

FCバルセロナのトップチームが練習しているグラウンドに乗り込んで、シーズン初戦。
もう全てが新鮮でした。
綺麗に整えられた天然芝。
綺麗で設備もちゃんとしてるロッカールーム。
思わず写真におさめました。

>>参考:スペインリーガ2017-18シーズン開幕!FCバルセロナユースとの対戦
ウォーミングアップで入っていいものかと悩みながら、ふかふかの天然芝を踏んだときは感動でした。
そしてもう一つ忘れられないこと。
それはFCバルセロナ相手にアウェイで2−2に引き分けたこと。
選手や監督・コーチ陣みんな戦い抜いてくれました。
今シーズンのFCバルセロナAチーム、ホームでは負けなしなんです。
リーグ15チームある中で、引き分けに持ち込んだのは3チームのみ。
RCDエスパニョールとコルネジャ、そしてうちのチーム。
それを初戦からやってのけた選手たちには、感動しかありませんでした。。
最初に先制したときの感動、逆転された後に追いついたときの感動ったらもう。。

試合後はコーチ陣みんなでご飯を食べに行くことに。
当初から監督がわたしを招待しようと言ってくれていたので、わたしの分だけご馳走してくれたのですが、そのあとにお礼のメールを入れると

と言ってもらい、嬉しかったのと同時にホッとしました。
それまでどんなやり方がいいのかわからず、試行錯誤しながらやってきたところがあったので、認めてもらえたのかなと安心できました。
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日本一時帰国のため、3週間ほどチームを離れることに
開幕戦が終わった後すぐ、友人の結婚式などの関係で日本に一時帰国することに。
チームがいい調子だっただけに、このタイミングで離れるのは辛いものがありました。
日本にいる間もチームが心配で心配で、チームの人から送られてくる試合前の動画を食い入るように見てました。
恐れていたことが当たってしまったのか、チームの調子は悪くなる一方。。
日本に帰っている間におこなわれた3試合、3戦全敗でした。。
聞いた話では不運が続いたとのことでしたが、わたしがスペインに残っていれば何かチカラになれたのではないかと思うと、後悔でいっぱいでした。
そしてこの連敗は、今シーズンが辛い戦いになる始まりでもありました。
チームに起きた色々な変化
選手の入れ替わり
日本から戻ってチームに合流すると、選手やコーチ陣は嬉しそうに迎えてくれました。
いつもクールに振る舞う選手たちも「Mayuがいなくて寂しかったぞ」「どこ行ってたんだ」なんて言ってくれて、涙を必死にこらえるわたし。

しかしそこにはわたしの知っている選手が全員揃っているわけではありませんでした。
何人かがいなくなり、何人かの新しい選手が入っている。
チームの雰囲気は少し変わっていました。
そのあとも、立ち去っていく選手や新しく入ってくる選手は多くいました。
監督からクビを切られる選手もいれば、出場機会を求め自分から去っていく選手も。
慣れないわたしは、誰かが立ち去っていくたびに涙をこらえきれず。
「Mayu、これがサッカーなんだ」と言われ続けました。
励ましてくれる選手やコーチ陣。
そんな優しい彼らを見ると、わたしも強くならなきゃなと思わされるばかり。

第一監督、第二監督の交代
10月の中旬、突如として起こった監督の交代。
交代が告げられたその日、練習が始まる時間になっても一向に着替えをしない監督らに「どうしたんだろう?」と思っていました。
練習開始前のミーティングで監督の交代が告げられて、わたしはわけもわからず涙を抑えることはできませんでした。
無理、無理。急に新しい監督なんて意味わからない。
わたしをチームに誘ってくれた監督。わたしにとっての監督は彼だけなんだ。。
会長に抗議しようかとも思いました。
でもよく聞いてみると、成績不振だからというわけではなく。(理由は伏せさせて頂きます。)
第一監督が辞めるため、コンビを組んでいる第二監督も一緒に辞めることに。
悪い理由ではなかったので少しホッとしたものの、あまりに急すぎる交代に心は追いつきませんでした。
わたしのサッカー人生1年目において、忘れられない出来事となりました。

アウェイ戦で名の通った数々のクラブへ
わたしの所属しているチームはスペインユース年代のトップリーグに属しています。
そのため対戦相手は名の知れた有名なクラブばかり。
サッカーキャリア1年目のわたしには贅沢すぎるほどの場所でした。
- FCバルセロナ
- RCDエスパニョール
- ジローナFC
- レアル・サラゴサ
- RCDマヨルカ
- ヒムナスティック・タラゴナ
……
さすがにトップチームが試合をするスタジアムで対戦というわけではありませんが、トップチームの練習場に行ってグラウンドやロッカールームに入れたこと、本当に貴重な経験でした。
帯同させてくれたチーム、そしてクラブには感謝しかありません。
シーズンを通したチームへの関わり方の変化
邪魔をしないことを心がけたスタート当初
わたしはチームの主役でもなんでもありません。目立つ必要まったくなし。
輝いてほしいのはあくまでも選手たち。
選手には心地よくプレーしてほしいし、集中してほしい。
監督やコーチにも同様にサッカーに集中してほしい。
そのため先ほども少し綴りましたが、シーズンスタート当初は「チームの練習や試合の邪魔をしないこと」を最優先に、さりげなくサポートしてきました。
その部分を監督も評価してくれていたようで、わたしの評価内容を示してくれた書面には
「彼女は変に介入しすぎることをせず、献身的にサポートしてくれる」
と記載してくれました。

連敗が続く苦しい状況で自分の意見を伝えられるようになった
シーズンの前半戦、なかなか勝てない時期が続きました。
試合が終わるたびに暗い空気が流れ、コーチ陣の話し合いはひたすら続き。。
さすがにその状況を見ているだけではいられず、わたしも思ったことを言おうか言わまいか迷っていました。
遠慮があったのは間違いありません。
わたしのような一用具係が、監督やコーチに口を出していいものなのかと。
そんなとき友人が、こんなことを言ってくれました。

まさにその通りだと思いました。
何か意見を言って、それがどう転ぶかは自分の日頃からの行い次第だと。
そう思ってからは、何か気になることがあれば伝えるようになりました。
チームのためになるかもしれないのなら、たとえ嫌われ者になってもいい。
わたしはスペインで何も失うものはないんです。守るものなんてない。
後悔しないことの方がよっぽど大事でした。
でもみんなの前で話すのは正直怖さもありましたし、かなりの勇気が必要でした。
話し合いの内容を具体的に聞き取れているわけではなかったので、的外れなことを言ってしまう可能性もあります。
どう思われるんだろうっていう気持ちも少なからずあったし、そもそもスペイン語で上手く説明できる自信もありませんでした。
ただあのときはもう必死でした。涙もろいわたしは泣きながら話していました。
「上手く伝えられなくてごめんね」というと、コーチ陣のみんなは

と言って、わたしのつたないスペイン語に一生懸命耳を傾けてくれました。

意見を求められるようになったシーズン後半戦
自分が思ったことを正直に言うようになってから、次第に監督やコーチもわたしに意見を求めてくれるようになりました。


これって冷静に考えて、すごくありがたいことだなあと思います。
スペインのトップリーグチームで指揮をとる監督が、
かつてユースのトップリーグでプレーしていたコーチが、
サッカーを詳しくは知らない用具係の日本人女子に意見を求めてくれる。

みんなの懐の大きさには尊敬するばかりです。
昨日は試合のあと、監督から
「Mayuがもし監督だったら、ハーフタイムのとき選手に何て声をかけてた?」
と聞かれた。
ただの用具係であるわたしにも意見を求めてくれる監督。自分の考えに固執せず、いろんな意見を聞いて少しでもチームを良くしたいという想いが伝わってくるから尊敬する。— ほぺまゆ@バルセロナ⚽🇪🇸🇯🇵 (@Jope_Mayu) 2018年2月12日
こう言ってもらえるようになってから、わたしも何か気になるところはないかとチームをよく観察するようになりました。
サッカーのことももっと勉強しようというやる気につながりました。
これってお互いに相乗効果ですよね。
いい変化になったなとつくづく思います。
自分の意見を言えるようになって、今思うこと
練習中や試合中、各スタッフにはそれぞれ役割があります。
でもその役割以前に、チームに所属している人はそれぞれ「チームを良くしたい1人のメンバー」なんですよね。
それが根本にあるのなら、用具係だろうがトレーナーだろうが何だろうが関係ないんだと今は思えます。
チーム内で意見をぶつけ合う経験は、互いに深く関わろうとする経験になり、それは最終的にチームの絆を強くさせることにつながる。
日本にいたら学べなかったかもしれない「自分の意見を言うことの大切さ」をスペインで学べた気がします。
勝ちきれない試合が続き、チームは降格へ
1点差で勝ちきれない戦い、引き分けになって勝ち点1しか取れない、非常に辛いシーズンでした。
チームは降格し、来シーズンはLiga Nacionalのリーグで戦うことになりました。
残留が厳しくなってからのモチベーションの保ち方、降格が決まってからの目標設定の仕方、、
これらは予想以上に難しいものでした。
リーグの終盤に差し掛かってくると、ある程度の最終順位が見えてくる。このときチームのモチベーション維持が大変なのは、
・優勝は狙えないが、降格することもない中盤の順位
・降格が決まって、頑張っても上にはあがれない順位これをつくづく痛感している。
目標を失ったときに何ができるのか。— ほぺまゆ@バルセロナ⚽🇪🇸🇯🇵 (@Jope_Mayu) 2018年2月21日
今シーズンでJuvenilカテゴリーを卒業し大人のリーグで戦う選手や、活躍が認められて有名クラブから来シーズンのオファーが来る選手……
来シーズンもチームに残って戦うという選手はあまり多くありません。
そんな状況でも来シーズンは昇格を目指して、1シーズンで復帰できたらいいなと思っています。
2017-18シーズンのまとめ
だいぶ端折って書いてみましたが、ホペイロとしての初めてのシーズンは本当に色々なことがありました。
シーズン最終節の試合が終わった後にはこんな一言も頂けて、
試合の後にコーチ陣・会長・役員で来シーズンのことを話してた。
会長から「Mayuは更新するの?」と聞かれ「もし更新しないなら他の日本人女子を探さなきゃな😂」と言われた
そのあとにコーチが
「No hay ninguna mejor(Mayu以上にいい人はいない)」
と言ってくれた😢今シーズン頑張ってよかった。
— ほぺまゆ@バルセロナ⚽🇪🇸🇯🇵 (@Jope_Mayu) 2018年4月8日
辛いこともたくさんありましたが、今シーズン頑張って本当によかった。。
知り合いもいない、日本語しか話せない状態で単身スペインに渡ってきたときは、どうなることだろうと思いました。
しかし今こうしてスペインでやっていけていること、チームに入れてもらって想像していた以上の経験をさせてもらえたこと、本当に周りの方々には感謝でいっぱいです。
わたしが持っているもう1つのinfantilチーム(13-14歳カテゴリー)はまだリーグが続いているので、少しでもチームのチカラになれるよう尽力していきます!
このブログやnoteアカウントの方でも、スペインの育成年代のサッカーについて情報発信していく予定です。
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